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やさしい本01「フィンガーボウルの話の続き」

やさしい本

こんにちは、かたいなかです。
きょうは私のとっても気に入っている本について書きます。

タイトルは…
吉田篤弘 著「フィンガーボウルの話の続き」

といいます。

クラフト・エヴィング商會」というユニットが好きで、本を集めていた時期があったんです。
空想と現実が入り混じった独特の世界観。とことんシンプルでありながら存在感のある「もの」たちに私の心は夢中になったものです。
この本は、クラフト・エヴィング商會のひとり、吉田篤弘さんが書いた小説。

ビートルズの「ホワイト・アルバム」(因みに私はビートルズにはあまり詳しくないです…)を共通のテーマに、様々な人物が紡いでいく物語をつづった短編集です。

「ホワイト・アルバム」がテーマとあって、随所に「白」を感じさせる。小さな冬の博物館の真っ白い部屋、シシリアン・ソルトの結晶の白、白鯨詩人の本の余白、キリントン先生の白いシャツ…。

読み進めるほどに自分も真っ白な世界に包み込まれていくようで、不思議な懐かしさで心の奥のほうがきゅうっとする感覚に見舞われます。

この本には、派手なアクションシーンは一切出てきません。登場人物も大人しめな普通の人たちだし、波乱万丈の展開がある訳でもありません。

なのにどこか力強く、美しく、温かい、正に「白」という色そのもののような世界が描かれています。

雨音を聞きながらゆっくり読み返したい、お気に入りの一冊です(*^^*)